「望月さん、叶真またこっち見てるわよ」
「う……。わかってるよ」
村瀬さんに言われても、叶真の方を振り返ることもできない。
「まったく何やってるの、あなた達は」
村瀬さんの仰るとおり。
返す言葉もございません。
叶真が熱を出して学校休んだ日に看病にいってそれから、あたしの過去を叶真に知られるっていう予想外の展開が起きた。
あたしは嫌われるつもりで自分から身を引こうとしてたのに、それを叶真はあっさりと拒否してしまった。
あたしに幻滅するどころか、結乃の言うとおり今のあたしごと受け入れてくれて正直戸惑った。
嬉しい気持ちの方が大きいんだけど、それよりもこれからどうしたらいいのかわからなくなってしまった。
あたしのことを何とも想ってないはずなのに、あんなに真剣にあたしの過去と向き合って怒ってくれて。
何とも想ってない相手に普通あそこまでするのかな。
あのことがあってから、もっと余計に叶真の考えてることがわからなくなった。
それに、叶真が好きって気持ちがまた大きくなってしまって、叶真に話しかけられても普通に接することができなくなってしまったんだ。