「……輩、叶真先輩ってば」
「え? あ、何?」
「何じゃないですよ! どうしたんですか?
ぼーっとするなんて先輩らしくないですね」
大地に呼ばれてたことにも気付かないなんて、俺考えすぎ。
バイトなんだから頭の中切り替えないと。
「何か気になることでもあるんですか?」
「いや、まぁな……」
歯切れの悪い答えを返して、大地が首を傾げる。
「僕でお役にたてることあれば協力しますよ?」
大地がこう言ってくれるのは有り難いけど、これは俺の問題だし。
「いや、いいよ。
おまえのその気持ちだけ受け取っておく」
「そうですか? たまには頼ってくださいよ」
パタンとロッカーの扉を閉めると、大地は先に事務所に消えていった。

