「俺は、アイツとは違う。
おまえがこの先、過去に捕らわれそうになったとしても、俺が何度でも引っ張りあげてやるから。
過去なんて俺が忘れさせてやるよ」
乃愛の耳朶を指で弄びながら囁くと、柔らかな頬へとキスを落とす。
「もう二度と別れるなんて言うなよ」
乃愛を見ると、予想以上に顔を真っ赤にして、涙目で俺を睨んでいた。
「なぁ、そういうのって逆効果って知ってる?」
そんな目で見られたら、抑えられなくなる。
「何? どういう意味?」
引け腰になってる乃愛をしっかり抱きしめ直すと、おでこ同士をくっつける。
「これから時間をかけてじっくりと教えてやるから。
それより、さっきの返事は?」
過去を忘れせさせてやるって言った俺の言葉に乃愛は、上目遣いで俺を見てくる。
だから……それ逆効果だって。
「叶真って物好き。変なの」
「……なんとでも言え。
おまえと付き合えるのは俺くらいなもんなんだから」
ったく、ほんっと素直じゃない。

