「乃ー愛ちゃん? なーにぼーっとしてんの?」
叶真と付き合い始めたばかりの時のことを思い出してぼーっとしていた。
そんなあたしの顔を覗きこんできた叶真にビックリする。
「ちょ、近いってば!」
あたしの顔を覗きこんでいた叶真の顔を片手で阻止する。
いきなり近くにくるとかやめてよ。
あたしの気持ちがバレちゃわないか心配になる。
「いつになったら慣れんの?
この距離で近付くのもダメ、手を繋ぐのもダメ。
抱きしめることもダメなら、キス以上のことなんてできねぇじゃん」
そんなこと、叶真に言われなくたってあたしがいちばんわかってる。
あたしだってできることなら叶真と手を繋ぎたい。
叶真に抱きしめてもらいたいって思わないわけじゃない。
でも、叶真はあたしのこと好きじゃないでしょ――?

