周りの子はみんな仲良く彼氏と手を繋いで歩いてるのに、あたしはまだ一度も先輩と手すら繋いだことない。
どうやって甘えていいのかもわからなくて、自分から手を繋ぐこともできない。
そんなあたしには気付かない先輩は、どんどん先を行ってしまう。
先輩に必死に追いつこうと小走りした時だった。
「あっ……!」
慣れない3センチヒールのパンプスを履いてきたせいでその場に転んでしまった。
「いた……っ」
こんな人が多いところで転ぶなんて最悪だよ。
起き上がって自分の体を見ると、手のひらと膝を擦りむいていた。
「乃愛ちゃん? 何やってんの」
先を歩いていた先輩があたしに気付いて引き返してきた。

