「無理に聞かないでおこうって思ったけど、やっぱり気になるから。
もし話したくないならそれでもいい」
叶真が今からあたしに何を聞こうとしてるのか。
それは叶真の雰囲気で何となくだけどわかってしまった。
きっと、あの日のことだ。
「な、何? 急に真剣な顔して。
あたしに話すことなんて何もないよ?」
あの日のことを話すってことは、あたしの過去も話さなきゃいけなくなる。
それは、あたしにとって勇気のいること。
叶真に知られるのが怖いって、幻滅されたらどうしようって思ってきた。
あたしの話を聞いたあと、あの時みたいに『人形みたい』って言われたら……。
今度こそあたしは人を信じることも、恋をすることもできなくなる。

