「お父さんにああ言われたし、もう少しだけいてあげるよ」
ベッドサイドに座ると、叶真がちょっと納得いかなそうな顔をする。
「風邪が治ったら覚えてろよ……なんで乃愛が偉そうなんだよ」
弱弱しいその言い返しは、聞いててなんだか心地いいものだった。
いつも余裕たっぷりでイジワルばっかりしてくる叶真がやっぱり可愛く見える。
こんな叶真はなかなか見られないと、もう少しからかおうとあたしの好奇心が顔をだした。
でも、真剣に見つめてくる叶真に唇を引き結ぶ。
どうしたんだろ、急に。
何か言いたそうな叶真に見つめられて、どうしたらいいのかわからない。
パッと顔を俯けると、叶真がそっと体を起こす。
「寝てないと熱あがっちゃうよ」
「今は薬が効いてきてるから大丈夫。
それより……乃愛に聞きたいことがある」
少しだけ辛そうに息を吐いてベッドの上に座った叶真は、あたしをまっすぐに見つめてきた。

