「父さん仕事忙しくて、最近帰りが遅いんだよ。
俺が熱出したから今日休むって言ってくれたんだけど……そんなことさせるわけにいかないから。
大空も治りかけだし、俺がいるから大丈夫かと思ったけど、結局何もできなくて……」
時折、咳をしながら喋る叶真にお粥の入った茶碗を渡す。
「だから、乃愛が来てくれて……助かった」
手渡した茶碗ごとあたしの手を握ってきた叶真にドキッとする。
「お礼なんていいから、早くこれ食べて風邪治して元気になってよ。
叶真が元気ないと調子狂うじゃない」
素直にお礼を言う叶真に手を握られてるせいで動くことができない。
熱のせいで高くなった叶真の体温が手から伝わってきて、それがあたしを余計にドキドキさせた。

