こんな気持ちになるなら、来なきゃよかった。
「乃愛……っ」
帰ろうとしたら、後ろから腕を掴まれて引き戻される。
「離してよ。体調悪いんだから早く寝て」
「悪い……」
いきなり謝ったかと思うと、叶真の腕の中に閉じ込められる。
「おまえにこんな姿、見られたくなかったんだよ……」
熱い息が耳にかかって、こんな時なのにドキドキする。
「いきなり来るなよ。おまえに移したくない」
あたしに冷たくした理由を苦しそうに話してくれる叶真。
いつも思ってることハッキリ言わないのに、なんでこういう時だけ自分が思ってること伝えてくるのよ。
「何カッコつけてんの。病人のくせに」
顔見られなくてよかった。
きっと、今のあたしの顔は真っ赤だ。

