「ヒラギが休みなんて珍しいじゃない。風邪でもひいたの?」
「たぶんそうだろうね。
一昨日会った時に風邪ひいたっぽかったし」
「あんた達ほんと仲いいわね」
「幼なじみだからね! 叶真とオレは」
誇らしげに言う風間君に呆れた夏帆はさっさと自分の席につく。
それを風間君も追いかける形で教室に入って行った。
叶真が休み……大丈夫なのかな、あいつ。
考えながらあたしも教室に入ってきて自分の席につく。
ふと隣を見たら、叶真の周りにいるファンの子達が集まっていた。
「ちょっと、望月さんがこっち睨んでる」
「こわ〜い」
ただ見てただけなのに、とんだ誤解でしょ。
叶真がらしくないことするから、ちょっと気になっただけじゃない。
いつも隣にいる奴がいないって何か変なの。
あたしは先生が来るまで叶真が休むなんて半信半疑だった。