バイトが終わる頃には、熱が本格的にあがってきていた。



「先輩ほんとに大丈夫ですか!?」



同じ時間に終わった大地が俺を見て心配そうな声をあげた。



「大丈夫じゃないかもな。

帰って寝るわ。じゃーな、お疲れ」



喉が痛くて上手く話すことも難しくなってきた。



こんなので明日学校行けるのかよ、俺。



バイト先をあとにして、家までの道をゆっくりと歩く。



いつもこんなこと思わないのに、熱のせいで弱ってんのか。



なんだか今、無性に乃愛に会いたい。



声が聞きたい。