「先輩、ハッキリ言いますね」
隣にきた大地がカフェオレを飲みながら、さっき聞いていたことをわざわざ言ってくる。
「変に期待されても困る。アイツのこと不安にさせたくねぇし」
「カッコイイ! そんなセリフ僕も一度でいいから言ってもらいたい」
言ってもらいたいって、それ普通逆だろ。
あちこち痛いはずなのに、大地の言ったことに思わず笑いが漏れる。
「大地くらい思ってること言ってくれたらな……」
「ん? 何か言いました? 先輩」
サンドイッチを頬張る大地に静かに首を横に振った。
「おまえは呑気でいいなって思ってただけ」
「そんな羨ましがられても困りますよ〜」
ここ照れるとこじゃないんだけど。
大地くらい直球だったら、乃愛にこの間のこと聞けるんだろうな。
そう思うと、本当に大地みたいなヤツが羨ましいって思う。

