なんで……どうして……こんなところに……。
足に力が入らない。
ちゃんと普通にしなきゃ、叶真にも風間君にも変に思われる。
「叶真! 乃愛ちゃんの様子が急におかしくなって」
「乃愛が? おい乃愛」
向こうはあたしの存在にはまったく気付かずに、どんどん遠ざかっていく。
あたしの視界を遮るように叶真が目の前にきた。
あの人の姿が見えなくなっただけで、強張っていた体から一気に力が抜けた。
「乃愛!?」
「乃愛ちゃん大丈夫!?」
膝がカクンと折れて、その場に座り込んだあたしを叶真が支えてくれた。
「具合悪いのか? 何があったんだよ」
小刻みに震えるあたしの手を握ってくれた叶真の手を力なく握り返す。

