「うわー……あのカップルあんなとこで」
ファミレスの駐車場で高校生らしいカップルがイチャついていた。
こんなところで……。
あんまり見ちゃいけないと目を逸らそうとした時だった。
彼女とその場で別れた彼氏の顔を見て、あたしの心臓がドクドクと嫌な音を立て始める。
街頭に照らされたその顔は、忘れたくても忘れられるものじゃない。
「……っせん……ぱ……」
口の中が異常なほどに乾く。
震える唇で無意識に懐かしい呼び名を声に出していたのにも気付けない。
「乃愛ちゃんどうしたの?」
風間君が呼んでるのが聞こえるのに返事をすることができない。
『付き合ってみたら全然違ってがっかり』
こんな時に思い出すなんて……っ。
苦しくて、胸元の服を力いっぱい握っていた。
「乃愛ちゃん! どうしたんだよ、顔真っ青だよ」
「響、何大きな声出してんだよ」
着替えを済ませた叶真が店から出てきたようだった。

