「大地の言ったことでちょっと不安になった?」
「え?」
水が入ったグラスの淵を右の人差し指で撫でながら、ぼーっとしていたあたし。
「大丈夫だよ。叶真はバイト先にも彼女がいるってこと言ってるから」
「あたしは別に気にしてないから」
うそ。本当は不安になって気にしてた。
風間君も女の子にモテるから、ちょっとした態度の変化にすぐ気付いちゃうんだ。
あたしが知ってる人と違う。
叶真も風間君も。
あの人は、あたしのことなんて気にしようともしてなかった。
「乃愛ちゃん? 大丈夫?」
「えっ?」
「いや、ぼーっとしてるから具合悪いかと思って」
大丈夫と首を振ると、そっかとだけ風間君が返した。

