乃愛をひとりにさせたらまた何を言ってくるかわからない。
とりあえず、バイトまでまだ時間があるから乃愛の珍しい我が儘に付き合ってやるかな。
「おまえら廊下まで丸聞こえだぞ」
何喰わぬ顔で入ってきた俺に、言い合いしていた2人は急に大人しくなった。
「と、叶真君……なんでいるの?」
「なんでって日直だから」
友菜の友達が気まずそうに目を逸らして、自分の席にあった鞄を手に取る。
「と、とにかくこの話はもう終わり。
あんたなんかもう友達じゃないから」
言い逃げして帰っていく友達に友菜は何も言わずただ俯いてる。
「追いかけなくていいのか?」
教卓の上に運んできた資料を置くと、友菜に振り返る。
「叶真には関係ないじゃない」
まぁ、確かに友菜達の問題だから口出すつもりはなかったんだけど。
仕方ねぇじゃん。
教室の入り口にいた乃愛に目配せすると、そっと乃愛が入ってきた。

