「村瀬さん達止めなきゃ」
乃愛が教室に入って行こうとするのを慌てて止める。
「待てよ。おまえが行ったら余計に話がこじれるかもしれないだろ」
「でも……!」
「それに、あんなに嫌なこと毎日言われ続けてきた相手に何しようって言うんだよ」
俺のことで嫌な思いしなくて済んでるのに、わざわざ波風立てることない。
「そんなのあたしにだってわかんない。
けどやっぱり、このままっていうのはなんか嫌だから」
俺は、乃愛のこういう強いところも好きなんだと思う。
乃愛を好きになったのも、意外な場面だったし。
俺がいくら口を出したところで聞くようなヤツじゃない。
だったら俺はこういうしかねぇだろ。
「おまえがいいって思うまで、とことんやってみれば」
俺が言ったことが意外だったのか、乃愛は一瞬驚いた顔したけど、すぐに力強く頷く。

