クスクスと笑う声が聞こえて見ると、乃愛が俺と大地を見て笑っていた。
「ほら、彼女さんだって楽しんでくれてますよ。
よかったですね、先輩」
「なんでおまえが上から目線なんだよ」
だけど、大地の言うとおりかもしれない。
こんなふうに笑ってる乃愛も俺にとっては新鮮だから。
まぁ、コイツのお陰っていうのが素直に喜べないんだけど。
「田辺君て面白いね」
「か、彼女さんから田辺君呼びしてもらっちゃいましたよ! 叶真先輩!」
俺の腕をバシバシ叩いてくる大地。
嬉しいのはわかるけど、ちょっとは手加減しろよ。
「ちょっと、そんなところで固まられたら邪魔なんだけど」
教室の入口前で固まっていた俺達に冷たい声がかかった。

