「もうここでいいよ。
家まで送ってもらうと結乃がうるさいし」
家の近くまで送ってくれた叶真に振り向く。
「確かに。面白い妹だったもんな~」
思い出し笑いをしてる叶真に、今朝の結乃の行動を思い出して肩を落とす。
「まぁ、乃愛にはいい刺激じゃねぇの?
付き合ってるの妹公認だし、恋愛慣れしてないおまえにはあれぐらい言ってくれる妹がいた方がいいんじゃない」
「何よ、自分はたくさんの女の子と付き合ったことあるからって」
「数だけ重ねても、たったひとりに想ってもらわなきゃ何の意味もねぇよ」
それまで笑っていた叶真が急に真顔になり、あたしを見つめる。
その顔にドキンと胸が音を立てる。
たったひとりって誰のこと言ってるの?