スマホのカメラをあたしに向けて、叶真が楽しそうに笑みを口元に浮かべている。
「許可なく写真撮らないでよ」
「いいだろ、減るもんじゃないし」
そういう問題じゃないし。
なんて言い返してやろうかと考えていたら、アイスを食べ終わった叶真がベンチから立ち上がる。
「じゃ、行くか」
「行くってどこに? もう帰るんじゃないの?」
「あのなぁ……何のために俺が今日誘ったと思ってんの?
それとも乃愛は、もう帰りたいわけ?」
そ、そういうわけじゃないけど。
だって、叶真とデートしてるなんて今さらだけど、まだ実感ないし。
それに一緒にいて、あたしは周りにいる女の子みたいに気の利いたことも言えない。

