また顔を近付けてきて、身を固くするあたし。
何をされるんだろうと思っていたら、手に持っていたアイスをひと口食べられた。
「……あー! あたしのアイス食べた!」
「だから、おまえの貰うって言ったじゃん。
ていうか、本当にひとり分しか買ってこないとかさすがだな」
期待を裏切らないって言いたいわけね。
褒められたって、全っ然嬉しくないんだけど。
「どうしてくれるの? これじゃあたし食べられないじゃない」
「食べればいいじゃん。付き合ってんだし、そんなの普通だろ?」
叶真にとっては普通のことなのかもしれないけど、あたしにとってはこういうことでも大事なんだよ。
「もういらない。叶真が全部食べてっ」
叶真にアイスを突き出すと、そのままパクッと食べられる。
「ちょっと! 食べてってそういう意味じゃないんだけど」
「食べてって言われたから、素直に従っただけ。
乃愛が食べさせてくれるんだろ?」
あー言えばこー返してくる叶真に、若干疲れてきた。

