不思議に思ってるあたしの隣で、液晶モニターに映っていた上演作品一覧の中からひとつだけ指差ししてニッと笑ってくる。
「ちょっと、あたしは高校生なんですけど?」
「いや? 乃愛はこういうのでも楽しめそうだと思ったんだけど」
あ、そうですか。
あたしは、叶真よりお子様って言いたいわけね。
叶真があたしに楽しめそうだと言った映画は、子供に大人気のヒーローアニメ。
「観たいならひとりで観ればいいでしょ!
あたしはひとりで違う映画観るから遠慮なくどうぞ」
ふんっと顔をそらすと、隣でまたクスクス笑ってくる。
周りのカップルは仲良さげに体を密着させたり、手を繋いだりして喋ってる。
それなのに、形だけ名前だけと言われてるあたし達はきっと付き合ってるようには見えないんだろうな。
「へぇ、乃愛は俺と離れてもいいんだ?
せっかく今日デートに誘ってやった俺を無視するなんて酷いな」

