威勢よく言い返してきた乃愛を笑っていると、ふと響の言葉を思い出した。
『イケメン嫌いの理由』
今なら聞けそうな気もしたけど、乃愛を怖がらせたあとだし。
この話はまた今度にするか。
「いつまで怒ってんだよ。置いてくぞ」
プリプリ顔を真っ赤にして怒る乃愛に声をかける。
「誰のせいでこうなったと思ってんの!」
「あんま怒るとしわが増えるって」
「うるさい! 女の敵!」
ズケズケ俺に文句を言ってくる女なんてコイツしかいない。
そんな貴重な存在を俺が手放すわけない。
だから、乃愛にはもっと俺を好きにさせた責任を取ってもらわないとな。