イジワル彼氏の不器用な素顔




「嬉しかったんだろ」



「え?」



「乃愛が遊んでくれたから嬉しかったんだよ、大空のヤツ」



風邪をひかないようにブランケットを大空にかけてやる。



「普段、俺や父さん以外に甘えられるのって幼稚園の先生くらいだから。

甘えられるって言っても、思いきりはできないだろ。

だから、心から甘えられる存在がいるって嬉しかったんだよ」



俺や父さんに甘えるのとは違う。



「そっか。お母さんがいない寂しさを普段は我慢してるんだもんね。

こんなに小さいのにしっかりしてるよ、大空君は」



俺の隣に座った乃愛は、眠っている大空の頭を優しく撫でる。



「乃愛は兄弟とかいるの?」



今まではこんなことも聞いたことなかったけど、今の乃愛を見ていたらふと知りたくなった。



「いるよ、妹がひとり。

だけど、全然似てない。性格も外見もあたしとは正反対」



大空の扱いにも慣れてたし、一人っ子じゃないだろうとは思ってたけど、正反対の妹か。



乃愛と似てないってちょっと興味あんだけど。