「えっ? ちょ、何なに!?」
「おまえが喋ると話がややこしくなる」
「え~!? なんだよそれ! ひどくない!?」
ワーワー耳元で騒ぐ響を無視していると、黙っていた野々村がポソリと小さな声で呟いた。
「いくら友達でも聞けないことだってあるでしょ。
聞かれたくないことだってあるだろうし」
野々村の言うとおりだ。
誰だって聞かれたくないことの一つや二つはある。
それが自分のトラウマを作ったものならなおさらだ。
とは言っても、一度聞いてしまえば気になるのが人間。
授業を受けていても、乃愛のことが気になって仕方がなかった。

