「助けにきた俺に向かってその態度は冷たすぎだろ」
「誰も助けてくれなんて頼んでないけど」
言いながら自分の可愛げのなさに心の中で苦笑する。
「おまえ、髪ぐしゃぐしゃ」
そう言って笑いながらあたしの髪に触れようとした叶真の手を払いのける。
「さっき、あの子達が言ってたお弁当のことどういうこと?
あたしが叶真にチクったとか言われたけど」
あたしはお弁当をぐちゃぐちゃにされたことを叶真には言ってない。
必死に言い訳してバレないように隠してたのに、どうして叶真の名前があの子達の口から出てきたのかそれを知りたい。
「もう終わったことだろ。
乃愛が知る必要はないし、知らなくていい」
「何それ。あたしに言えないこと?」
そう尋ねてもこの話は終わりって顔をして何も言ってくれない。