「大空君がいるのにするわけないでしょ」
近付いてきていた叶真の胸を押し返す。
「ふーん、じゃ、大空がいない時だったらいいってこと?」
「そういう問題じゃない。
……相手は誰でもいいくせに」
つい本音が口から出てしまって、慌てて叶真を見るけどあたしの声は聞こえていなかったらしく、ちょっと一安心。
人の気も知らないで、軽々しくそういうこと言わないでよ。
あたしだけが叶真の言うことにドキドキして慌てて、何やってるんだろうって悲しくなる。
「残念。まぁ、大空がいるし今日のところは我慢しておくか」
なんでそんなにいつも余裕たっぷりなの?
あたしのことからかって楽しい?
そう口にしたいのに、その気持ちをグッと飲み込んだ。

