学校ではいつも通りの態度で、相変わらず女の子達に囲まれてる。
特定の彼女を作らないことで有名だけど、叶真にはもうひとつの顔があるってみんな知ってるのかな。
あの日見た優しい笑顔が、あたしの頭から離れない。
あんなふうに笑うところ、学校で見たことなんてなかった。
あたしが知らないだけかもしれないけど、それでもいつも見る彼は意地悪そうな笑みを作ってるところしか見たことない。
「なーんか最近嬉しそうじゃない?」
昼放課に一緒に教室でお昼を食べていた夏帆に言われた。
唐揚げを食べていた口の動きを止めて飲みこんだ。
「そ、そうかな? 別にいつもと同じだと思うけど」
誤魔化すようにそう言えば、夏帆の疑いの鋭い視線に射抜かれる。
「乃愛とは付き合い浅いけど、毎日見てるんだからそれくらい気付く。
で、何があった?」
ほんと、夏帆には隠し事なんてできない。
でも、イケメン嫌いの夏帆にこんなこと話していいんだろうかと悩む。
好きとかそんな感情じゃなく、気になってつい追いかけてしまう相手は、あたしも嫌いだったはずのタイプの奴だから。

