帰ろうとしていたのに、叶真のお父さんにも引き止められて、何故か柊一家に混ざってしまったあたし。
叶真と話したくないと言っていた大空君は、何故かあたしの隣にぴったりとくっついている。
どうやら、叶真がお弁当を作ると言ってたのにその約束を守れなかったことにご立腹らしい。
「大空、ほんと俺が悪かったよ。
約束守れなかったし、おまえ今日はすげぇ頑張ってるから帰りにお菓子買ってやるから」
「お菓子なんてほしくないもん!」
ぷいっと顔を逸らして、完全ご立腹モードの大空君。
「お兄ちゃんだって大空のためにたくさん頑張ってたんだよ?
そんな言い方したらお兄ちゃんが可哀想だ。もう許してあげなさい」
「やだっ! おともだちはみんなお母さんが作ってくれたおべんとうなのに……ボクだけ違う」
大空君の言葉に周りを見ると、両親や祖父母に囲まれて愛情いっぱいの可愛いお弁当をみんな食べている。
下を向いて小さな手をぎゅっと握って何かを我慢してる大空君。
お母さんがいない大空君にとって、周りの友達が羨ましいに決まってる。

