あたしが来たことにはまったく気付かない。
学校では決して見られない叶真の素顔。
大空君のことを誰よりも大事にしてる叶真の知らなかった一面を見たせいで、いつの間にか好きになってたんだよね。
アンカーで走る大空君は、いつものニコニコした可愛い感じじゃなくて、一生懸命でとてもカッコよく見えた。
そんな大空君の姿を優しい眼差しで見つめる叶真を暫く見ていたいって素直に思う。
こういう場所を借りでもしなきゃ、叶真のことをこんなに近くで見つめたりなんてできないから。
2位で走っていた大空君は、1位で走っていた女の子を抜いて見事にゴールインした。
それに思わず嬉しくなって拍手した。
「乃愛……? いつの間に来たんだよ」
あたしの存在にやっと気付いた叶真は、ちょっとビックリな顔をしていた。

