イジワル彼氏の不器用な素顔




「な、なんでそんな物持って歩いてるの?」



信じられない物でも見るような目で俺を見てくる。



まぁ、普通こういうのは女が持ってるもんだよな。



「大空がよく怪我するから、持ち歩く癖がついてるだけ」



「そっか。大空君のためなんだ」



「何? あたしのためじゃないんだって少し残念そうに聞こえんだけど?」



ニヤニヤ笑う俺に乃愛は睨んでくる。



そんなこと言ってないんだけどって言いたいわけね。



「それにしても、これじゃキャラ弁の見本になんねぇな」



「……仕方ないじゃない。悪かったわね、役に立たなくて」



別に乃愛が悪いなんて言ってねぇのに。



「頼んだのは俺だし味は悪くなかったんだから、そんなに不貞腐れた顔すんなよ」



「うるさいな……。生まれつきこういう顔なの」



笑いもせずに言った乃愛にクスクスと笑いが漏れた。