最初は文句ばかり言ってた乃愛もついに諦めたのか、ブスッとした顔をして俺の隣に腰を下ろした。
「味は悪くねぇよ」
「美味しいって素直に言えばいいでしょ」
美味いって言わない俺が不満なのか、乃愛らしい答えが返ってきたのにちょっと笑えた。
そのあと、少しだけ嬉しそうに笑ってる乃愛にもちゃんと気づいてた。
素直に美味いと思った。
でも、弁当の中身がこんなふうになってることを素直に言わなかった乃愛への罰として、美味いとは素直に言ってやらない。
こんなぐちゃぐちゃになるなんて、ひっくり返りでもしなきゃならない。
そんなことも見抜けないほど、俺だってバカじゃねぇし。
足を伸ばして座る乃愛をふと見ると、膝を擦りむいてるのに気付いた。
「おまえ、それどうしたの?」

