私はなるべく変な空気にならないように笑いながら聞いてみた。
「もし、結人が舞花の事好きだったらさ〜どうする？」
冗談っぽく軽い調子で話す。
「もしもね！もしもだから！」
私の心にある疑問の答えが、結人と同じなら…私はもう迷わない。
ドキドキしながら結人の答えを待つ。
「…ゆい、と…？」
私のヘラヘラした顔とは反対に、結人の顔は真剣でまっすぐ前を見ていた。
「なな、これから言うこと秘密な」
「え…？」
低い声で結人がそう言った。
するとこっちをまっすぐな目で見つめてきた。
「俺、舞花が好きなんだ」
「え？じょ、冗談？」
「冗談じゃねーよ。ずっと、ずっと前から好きなんだ」
その真剣な目には、だんだん苦しそうな色が混じっていく。
「でも、舞花の気持ちが誰に向いてるかも分かってる。俺は舞花が幸せならそれでいいって思ってる」
そう言う結人の表情も、声もまるで別人だ。
「だから、舞花の恋を俺は応援する。告白とか考えてねーし。とにかく」
結人は揺れる目でまた前を向いて、はぁ…とため息をついて下を向いた。
「舞花が幸せならそれでいいんだよ」
