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「俺は舞花が好き」





まっすぐこっちを見る目は真剣だ。




屋上に通じる階段の踊り場で向かい合って俺たちは話している。




「は?お前がやってる事は全然反対の事だろ?」



突然のカミングアウトにそう聞き返す。




「それは…俺は舞花が幸せになって欲しいから…」




ふっと目をそらすと、聞き取れるか取れないか微妙な大きさでそう言う。



「そんなの可笑しいだろ。好きならそんな事しなくたっていいだろ?」


一歩詰め寄ってそう言うと、ギロッと睨んできた。



今まで見たことのない顔にビクッと一瞬怖気づいた。




「お前には分からない。俺の気持ちなんか。分かってたまるかっ!!」




吐き出すようにそう言うとクルッと反対を向いて階段を降りて行ってしまった。





「一体どうなってんだよ…」



俺たち4人の関係は、今最高に複雑でぐちゃぐちゃしている。



一人取り残された踊り場で俺は小さく呟いた。