四色恋模様






『さぁ、体育祭最後の種目となりました!選手の皆さんは入場して下さい』



アナウンスが流れた途端私の緊張はピークに達した。



体育祭は順調に進んでいき、ついに最後のリレーだけとなった。赤組は今は2位。


私は待機場所で1人ずっと体育座りをしてまっていた。


アナウンスが流れて、よいしょっと立ち上がる。

もうこれから先は何考えてもダメだ!
とにかく走ればいい!せいにバトンを渡せばいい!



「待ってるからな」



ポン、と肩を叩かれて振り向くと偶数の方のスタートラインに行くせいがいた。


言葉が出なくてコクッと頷くとせいはニッと笑って行ってしまった。




『待ってるからな』



その言葉が妙に嬉しくて、つい口元が緩んでしまう。


待っていてくれるなら、頑張らなきゃ。


私は奇数側のスタートラインに行き赤組の1番最後に並んだ。



『それでは、いちについてー』







偶数の方から走り出すけど、もう?!
早すぎやしない?!



『よーい、ドン!』





アナウンスの声と共に第一走者は走り出した。





緊張するよ〜!!




ギュッと手を握って気持ちを落ち着かせる。


大丈夫、大丈夫…!!