「舞花は何出るんだっけ?」
「えーと、玉入れ?かな」
種目の書かれた進行表を見ながら色々舞花と話していた。
「あの、新田さん」
後ろから知らない声がして振り向くと、知らない男の子がいた。
いや、多分学年色からして2年生の先輩。
「ちょっといい?」
男の先輩はそう言うとちょいちょいと舞花を手招きして呼んだ。
「行ってくるね」
舞花は少し戸惑いながらその先輩について行った。
あ〜こんな日まで告白とは。舞花も大変だな〜。
モテない私には分からない苦しみだよ。
心の中でハハと乾いた笑いをした。
「舞花、また誰かに呼ばれたのか?」
ふっと影がさしたと思うとそこにはせいがいた。
「まぁね〜。2年の男の先輩だよ!舞花って有名人だね」
心の乾いた笑いは本当に声に出てしまいせいもハハっと同じようにわらった。
「まぁ、舞花って中学からそうだったからな。別に今更どうってことないだろ」
無責任なような、分かっているような微妙なことを言ってせいは隣にー舞花の席に座った。
「それを言うならせいもじゃん。昔っからよく告白されてさー」
沢山可愛い子から告白されてて、なんで断っちゃうの?!っていうくらいせいはスパスパ断ってたけど今思えば舞花ほど可愛い女の子はいなかったわけだし…。
断るのは当然か。
「せいってさ〜、告白しないの?」
「は?誰に?」
はっ!!つい口から出てしまった。
何気なく思っていたことがうっかり口に出ちゃうってあるんだ…。
しまった、と心の中で慌てているとせいがこっちを覗き込んでくる。
「誰のこと言ってんの?告白しないの?って俺に好きな人がいるってわかってて言ってるの?」
「いや、そういうわけじゃ…って好きな人やっぱいるんだ?」
舞花だとはわかってるけどそんな話しをしてこなかったし。
今初めてちゃんと聞いたかも。
「俺まだ好きな人いるなんて言ってない。お前が勝手にそうさせてるから聞いたんだろ?」
「え?つまりどういうこと?」
せいの言ってる事がよく分からない…。
私が聞き返すとせいは、はぁーーと長いため息をついて「もういい」とだけ言った。
「な、なによ。つまりせいに好きな人はいるの?!いないの?!」

