「いいねー!私は見に行ったこと無いし!」
舞花が嬉しそうに言うとせいの方を見てどうする?と首をかしげた。
「あぁ…そうだな。行こうか」
せいは一瞬だけ顔を曇らせた。が、また笑顔に戻っていた。
一瞬だから…見間違え?
「そうか、舞花はいつもせいの応援してたもんな〜」
結人は不思議そうにそう言うと、私を見てなんで?と聞いてきた。
「そういえばななはいつも俺の方だったよな。変わらないってなんか意味あるの?」
「へ、いやぁ…」
私は視線をそらして曖昧に返事をする。
お前舞花がせいを好きなこと知ってるだろ!
それに協力してました。なんて言えなるわけないだろうが!!
と言ってしまいたいが言えるわけが無いので別の理由を考える。
「そりゃあ、私サッカー好きだったから」
そう、別に嫌いじゃないし…。
そう言い訳するとなるほどー、と結人は納得したみたいだ。
「競技はじまるし、いくぞ」
「ああ、うん」
せいの声でそろそろ競技が始まるのを知り私達は応援席に向ってまた歩き出した。
「お前、本当にサッカーが好きで応援行ってたわけ?」
隣を歩くせいが少し不機嫌そうな声で聞いてきた。
なんで不機嫌なのよ…。
「そうだけど?」
変に怪しまれないようにサラッと言う。
「本当は、結人が好きだからじゃねーの?」
「は、はぁ?!」
せいの質問に驚きを隠せない。
そんなわけないじゃん!あの頃は結人に好きな人がいるって盛り上がってた時なのに!

