「おーおー!ありがとうな!ご苦労様!」
職員室にて、上島先生にプリントを渡して私とせいは帰ろうとした。
「あ、お前達ちょっと待った」
職員室を出ようとした時、上島先生から待ったがかかる。
え〜まだあんの〜?
上島先生は上着のポケットを何やら探ると私たちに拳を差し出してきた。
「ご褒美の飴ちゃんだよ」
私とせいが手を差し出すと、先生はそこに一つずつ飴を落とした。
「あ、ありがとうございます」
飴ちゃん…って、なんかぽいな。
イチゴミルク味と書かれた飴を見つめてお辞儀をする。
「はーい、気をつけて帰れよ〜」
上島先生は今度こそ職員室に帰って行き、私たちも職員室を出た。
「うふふ、イチゴミルクだって!かーわいー!」
上島先生こういうの食べるのかー!
確かに甘党な顔してるな〜なんて考えながらせいと帰り道を歩く。
「あの先生なんか女子っぽいとこあるよな」
イチゴミルク味の飴を舐めながらせいはそう呟いた。
「あー、ちょっとわかるかも。話し方と言い考え方といい…」
「だよな」
ハハハ、とせいと2人で笑いながら帰ることが新鮮で楽しかった。
いつぶりだろう?せいと2人で帰ったりするなんて。
いつもせいの隣には舞花がいて、他の女子が隣にいるなんて考えられない。
幼馴染の私でさえも、せいと2人きりなんてそんなないんだから。
「そういえば、せいってどうして彼女つくらないの?モテるのに」
頻繁に告白されるせいを見てると、どうしても舞花と言う可愛い幼馴染がいても疑問に思う。
せいはじっと私を見た後に、視線をまっすぐに戻してうーん、と唸った。
「告白されても付き合わないのは好きじゃないからに決まってるじゃん」
「あ、まぁ…そうだね」
最もなことをせいが言うからちょっと戸惑った。
今の時代、誰でもいいって付き合う人もいるのにそういう純粋な考えをしてるせいに感動した。
本人には言わないけど。
「じゃあ、好きな人とかはいないの?」
ドキドキ、と探ってるのがばれないように心臓の鼓動を抑えながら聞いてみた。

