「本当安心、なな以外の人ならせい君の事好きになっちゃってるかもだし」
ふぅーっと舞花はため息をついて私が思っていた事と同じ事を言った。
やっぱり!そうだよね!そこが心配なんだよね!
「そうだね!やっぱりそこが心配だもんね」
うんうん、と頷いて舞花に同意する。
「な〜に話してるの?」
ひょっこり後ろから出てきたのは桃だった。
「あ、せいと委員なったのが私でよかった〜って話」
「え?なにそれ」
桃は眉を寄せて理解不能と言うように首をかしげた。
「あぁ。せいってモテるから、私以外の人がなったら好きになっちゃうかもだし?私なら安心だよね〜ってこと!」
まぁ、他の人となったとこでせいがその子に興味を示すとも限らないし、同じ委員会にならなくてもせいはモテるから結局意味あるのかな、これ。
冷静になって考えるとそう思えてきた。
まさかあのせいが舞花以外の人を好きになるとは到底思えない。
「ふ〜ん、なるほどねぇ」
桃は考えるように腕を組んで友達と話しているせいの方に視線を向けた。
「せい君って彼女とかいた事ないの?」
「私が知ってる限りないはずなんだけど。舞花知ってたりする?」
舞花の方を向くと、ぼーっとしてたのかビクッと体を震わせて「知らない」とだけ答えた。
「へ〜。そんなにモテるなら彼女の1人くらいでもいそうなのにね」
「ちょ、舞花の前でなんてこと言ってるの!」
桃の肩をガシッと掴んでシーーっと桃にする。
「あぁ、ごめんごめん。でもその彼女は舞花が一番有力候補なわけじゃん?舞花告白したりはしないの?」
桃がぐるっと顔を舞花の方に向けて唐突に聞いてきた。
ストレートだな、桃は。
舞花は顔を赤くして「できないよ」と小さく言った。
「どうして?1番舞花がお似合いに見えてるよ?」
桃は不思議そうにしながら舞花に聞く。
確かに、昔から舞花とせいはペアにされていて戸惑う事なんてないのに。
でも、告白なんて中々出来ないよね。特に舞花は。
妙な親心が私の中で湧き上がってきて、つい舞花の頭をそっと撫でてしまった。
「な、なに?!」
急に撫でられて驚いて目を見開く舞花。

