四色恋模様






「教室の1時間目は係と委員決めになりま〜す。この1週間は身体測定とかで忙しかったからね〜」


相変わらずのんびりした声で話す上島先生は黒板に委員や係の名前を書いていく。



「まずはホームルーム委員から決めてもらおうかなー。まぁ、クラスまとめる委員長みたいなやつね」


上島先生はチョークを置くとう〜んとうなり始めた。

多分どうやって決めるか悩んでいるんだな。


私は頬杖をつきながらジーーっと上島先生を見て早く決めてくれないかな〜なんて思っていた。



「ここは…16たす4で20番!」



上島先生の声に頬杖をついていた手から頭がガクッとズレた。



「20番は成瀬!宜しく頼む!後は男子だな…」



うそうそ!

私は何か言おうと口を開きかけたがそんなにクラスで目立ちたくないし…と気持ちに負けてまた口を閉じた。


「俺やります」


しん、としていた教室に私のよく知る声が響いた。


「ん?相澤やってくれるのか。そしたら2人にお願いするかな」



上島先生はすんなり決まったことにすっかり上機嫌になっている。





私は1番前に座るせいの後ろ姿を見た。

せい…自分から立候補するようなタイプじゃないのに。


やっぱり、私に何かあるんじゃないかな…。