「ねぇ、結人。何かあるならはっきり言ってよ。だから私結人に相談してるんじゃん」
私はブランコを隣の結人に引き寄せて結人の肩を掴んだ。
「ねぇ!結人なんか言ったらー」
私は結人の表情を見て思わず言葉を飲み込んだ。
どうして、そんな悲しそうな顔してるの?
結人は悲しそうに地面を見つめたまま口を開いた。
「ななには俺の気持ちは分からないよ」
「な、何も言ってくれなきゃ分かるわけないでしょ?」
結人の肩を掴んで少し揺さぶる。
それでも結人は止めろとも言わないし、されるがままの状態になっている。
私もしょうがないと思って揺さぶるのを止めた。
「結人まで何か隠すの?せいだってそう。私達には隠し事なんてできないよ。どうせバレるんだから」
いつの間に、こんなに秘密ができていたの?
なんでも分かり合えた幼馴染の四人じゃなくて、ただの四人になってる。
「なな」
そっぽを向いていた私は、結人の呼ぶ声に振り向いた。
いつもはふざけて笑ってばかりの結人なのに、真剣な表情をしている。
見慣れない表情に胸騒ぎがした。
「なに?」
私はもう一度地面に視線を落として返事をした。

