「あなたの幼馴染モテモテですなー」
「まぁね〜…」
桃が舞花の行った方を見ながら興味深そうにそう言った。
「もう一人幼馴染がいるけど、あいつもそんなにモテるわけじゃないし。でも彼女いたんだよね〜〜」
結人に負けるなんて悔しい〜〜!
机に突っ伏してジタバタしていると、頭にバシッと何かで叩かれた衝撃を受けた。
「痛っ、桃?!なに!」
ガバッと起き上がると目の前にはせいが立っていた。
その隣には桃が驚いた顔でせいの顔を見上げている。
「え?せい?」
パチ、パチ、と瞬きをしてせいを見つめる。
せいは面白そうに笑って私の事を見下ろしていた。
「そんなに驚く?まぁいいや」
せいはしゃがんで机に肘を置いて頬杖をついた。
いつもは私が見上げるせいの顔が、今は大体同じ位置にあってなんだか不思議なかんじ…。
「ななさ、バスケ部のマネージャーしない?」
「マネージャー?」
突然の事で私はおうむ返しをしてしまった。
「やだよ!部活入りたくないし!しかもマネージャーなんて絶対無理!自分でプレーする方がまだまし!」
こいつ、私の性格分かって言ってるの?
ブンブンと首を振って嫌だと言うことを伝えると、せいは可笑しそうに笑った。
「ハハ、やっぱりな!そしたら舞花にでも頼むわ」
「うん、そうして。って、せいはバスケ部入るの?」
そしたら、舞花はきっとやるに決まってるんだけど…。
「いや、俺はやらないよ」
せいはキョトンとした顔でそう言った。
「な、なにそれ?!そしたら舞花にお願いしないで!」
「はぁ?なんで」
せいは眉を寄せて訝しげに聞いてきた。
そ、そんな!本当の理由なんて言えるわけないじゃない…!!
約2秒、頭をフル回転させて理由を考えた。
「だ、だってあの舞花が、私達3人誰もいない中でマネージャーなんて出来ないよ!分かるでしょ?」

