私は帰り道、頭の中で3人の関係を整理していた。
ええと、舞花はせいの事が好きで、
せいは舞花の事が好きかもで、
結人も舞花の事がすきかも…。
なんて危機的状態なんだろう。
これ、幼馴染壊滅の危機じゃん…。
「それじゃ、また明日」
ハッと我に帰ると、皆んなそれぞれの家に向かっている所だった。
せいと舞花は道路を挟んで向かい側の家で、私と結人の家は隣同士。
「なな、どうかした?」
ぼーっとしてると結人が顔を覗き込んできた。
「え!あ、ああ!なんでも…」
言いかけたところでふと思った。
今ここではっきりさせれば…。
「ねぇ、結人はさ…舞花の事が好きなの?」
私の質問に、結人はポカーンとしている。
「は?当たり前だろ。お前嫌いなのかよ」
「え?いやいや!好きだよ!そう言うんじゃなくてね」
私が焦って説明しようとすると、「あはははは!」と結人が突然吹き出して大笑いした。
え?え?何々。どういう事?
訳がわからずにオロオロしてると、結人は涙を拭いながらこっちを向いた。
「あー、面白かった。分かってるよ、質問の意味は。ちょっとからかっただけ」
結人はまだおかしそうに笑ってお腹をさすっている。
「な、もう最初からいいなさいよ!で?どうなの?」
恥ずかしさで顔が熱くなる。
もう、結人最悪っ!
「好きだけど、恋愛としてはないかな。妹みたいな感じだし。それに舞花はせいが好きじゃん?」
私なその言葉にコクッと頷く。
「せいもきっと好きだよね。良かった。結人まで舞花を好きって言ったら幼馴染崩壊の危機だよ」
ホッとして胸をなでおろすと、結人はハハっと笑った。
「崩壊の危機ね…。確かに。でもせいはどうだろう?俺と同じ様に舞花の事を妹として見てるかもよ?」