それから2人で屋台を巡り、私は綿あめを買ってせい君は焼きそばを買って人通りの少ないところで落ち着いて食べることにした。
「やっぱり神社の裏は静かだね〜」
屋台がここまでないので人は少ない。
「だな、舞花も食べる?」
せい君が焼きそばを差し出してきたのでありがたく一口もらった。
「あー、今日も暑いな〜」
食べ終わってからすぐ動く気になれなくて2人並んで神社の柵に寄りかかっている。
言うなら、今だ。
今しかない。
流石に緊張してきて、ふぅーと息を吐き出した。
覚悟はできているから、平気。
今日が決戦日だって、決めたもん。
私は1度目をつむって呼吸を落ち着かせた。
「せい君!」
ぱっと目を開けて隣にいるせい君を見上げる。
「ん?」
急にどうした、というようにせい君は目を丸くして私を見下ろした。
「ずっと言いたかった事があるの」
ジッとせい君の黒い瞳を見つめる。
せい君は何も言わず私の声に耳を傾けてくれている。
「好き」

