チラッと見ると笑顔で銃?を構えるななが見えた。
楽しそうだな〜。
とりあえずせい君の所に戻らなきゃ!
私は人の間を縫うようにしてせい君の方へ向かう。
「おまたせっー」
人ごみから抜けて待っていたせい君に声をかけたーけど、
せい君はうっすらと微笑んでどこか遠くを見ていた。
私には全然気づいてないみたい。
疑問に思ってその視線をたどると、そこには射的の屋台があった。
人ごみが多いのに…分かるの?
私の視線からではもちろんななを見つけることは出来ない。
声だっていくらはしゃいでいてもまわりも騒がしくて聞こえてくるかも分からないのに。
視線をせい君に戻すと、やっぱりうっすらと微笑んでいて目は暖かく1点を見据えたままだった。
「………」
ギュッとりんご飴の棒を握りしめて私は立ち尽くした。
分かっていたけど、ここまでななの事を…。
「せい君!おまたせ!」
今度こそちゃんと聞こえるように声をかけてせい君の元に小走りで駆け寄った。
「うん、てか大っきいな!」
ふはっと可笑しそうに笑うせい君。
「でしょ!食べ応えあるよ〜」

