四色恋模様






あれ?あの浴衣姿は…。




ふと見覚えのある背丈の後ろ姿を見つけた。



170ほどある背丈の女の子と、隣はもう少し小さい女の子。




絶対、ななと桃だ。



チラッとせい君を見上げると、まっすぐ前を見ていた。



それは、なな達を見ているのかは分からないけど揺れることなく1点を真っ直ぐ見ているからきっと気づいてみてるんだろうな…。




「せい君!りんご飴食べたい!」




急に言葉を発した私の声にハッとしたような顔をしたせい君はこっちを見た。



「りんご飴?分かった。着いたら先に行こうな」




そう言っていつもの笑顔で笑う。



それが私は特別ではない事を確定付ける。




「それから綿あめも食べたい!」



「全部お菓子じゃん」




ハハ、と2人で笑いそれから神社に着くまではたわいもない話をして歩いた。





「おおー、やっぱり人いるなー」



神社に着くと、その境内には屋台がたくさん出ていて賑わっていた。



広い境内なので規模もそれなりに大きい。




去年は4人で行ってたっけな…。



そんな事が頭をよぎる。



でも!今回がラストチャンスなんだ!楽しまなきゃ!



フン!と1人意気込んでせい君と一緒にりんご飴を売っている場所まで行く。