四色恋模様





突然すぎるカミングアウトに頭がついていかない。




好き…?それは私と同じ好き?




「せい。その好きって…どういう」



分かっているけど、本当かどうかわからないし幼馴染としてだったら私の勘違いも甚だしい。



「はぁ?幼馴染としてじゃない。友達としてでもない。異性として、ななが好き。
分かるだろ!」




ピシャッと言われてまた身を縮めた。

そんな、まさかそうだとは思わないじゃん!




「でも、お前は俺と舞花を付き合わそうとしたり…俺の事なんて全然見てないし、俺はもう無理。幼馴染じゃいられないんだよ」



じっと見下ろしてくるせいの目は真剣そのもので嘘をついているようには到底思えなかった。



でも、でも…。


私はギュッと目をつむって舞花を思い出した。



舞花の事を裏切るなんてできるわけない。
舞花はまだ告白もしてないのに。




「ごめん、私はせいは大切な幼馴染だと思っているの。そういう風には私は思えない」



目をつむったままそう言った。
せいの方を見て返事なんて私には出来ない。




しばらくしてから私の手が両方とも離された。



怖くてまだ目を開けられない。

でも、気になるし…。



恐る恐る目を開けてみると、見えたのは私とせいの上履き。




ここから顔を上げることは今の私には出来ない。



「…分かってた。ななは俺とは違う好きなんだってこと。幼馴染としてはちゃんと好いてくれてるのはわかってる。けど、それ以上じゃない事もわかってる」




さっきまでの勢いは無くて静かにそう話し出すせい。






分かってないよ…。私もせいと同じなんだよ?





そう言いたいのにやっぱり言えなかった。