四色恋模様





ーーーーーーー…




「桃…ありがとう」




「どういたしまして」




ティッシュで鼻をかみながら私は桃にお礼を言った。


もうすぐでホームルーム始まっちゃう…。



「ホームルームでないと…」



「え、その顔で?」



「…やっぱ酷い?」



「酷い」




クスッとお互いの顔を見て2人同時に吹き出した。




「え〜でもホームルームはでたいよー!」



せいになんか思われたら嫌だしな〜。


とりあえず私たちは教室の方に向かっていた。



「そうだけど…まぁ、顔を洗っておいた方が良いよ」


うん、と頷いて私はトイレに向かった。


「げっ!本当に酷い…」


鏡を見ると鼻も目も真っ赤になっている私が写っていた。




悪い意味でウサギかよ。



バシャバシャと思いっきり水で顔を冷やす。


「ねぇー!あと1分でホームルームだよー」



「はーい!」



桃の声に急いで蛇口を閉めてトイレの手洗い場から出てきた。



「水!はい、これハンカチ」



「えへへ〜ありがとう」



桃からハンカチを受け取りポンポンと顔を拭く。


「…どお?」



顔を見せて桃にどうなってるか聞く。


じろじろとしばらく私の顔を見ていた桃はフッと笑うと


「いいんじゃない?」


とだけ言った。



「よかった!」


ニッと笑って教室までダッシュする。



「ちょ!待ってよ!」



「えーやだー」


パタバタと教室まで鬼ごっこして帰ってくると、丁度ドアを開けた時にチャイムが鳴った。