「ねぇ、せい。どういう事?逃げないでー」
ちょっと強めの口調でせいにまた一歩近づこうとする。
そうすると、せいは一歩下がってまた距離をとる。
ちょ!何これ?!
いい加減イラっときて頭の中でブチッと何かが切れる音がした。
「なんなの?!さっきからさぁ!言いたいことあるなら言えば?!」
私はかまわずせいに近づいてドン、と肩を押した。
その拍子にせいはフラッと一瞬よろけたがそのまま棒立ちになっている。
下を向いたまま、表情は分からないし!
なんなの?!
流石に好きな人でも腹立つ!
「もういい。俺お前と幼馴染やめる」
「は、はぁ?」
突然何を言いだすかと思えば、なにそれ。
「ちょ、意味分からない」
ハッと思わず苦笑してしまった。
幼馴染って止められるものなの?
無理でしょ?
「俺はななと幼馴染やめるから。つまり」
「ーっ!」
こっちを見たせいの顔に思わず息を飲んだ。
「俺とお前は赤の他人…。ただのクラスメートな」
低い声でそう言うとせいは私の横を通り過ぎて行ってしまった。

