「ふーん、そうか。まぁ、残念だけど本人達が良いって言ってるならいいのかもね」
桃の軽い調子に少し驚いて目をまたたく。
もっと色々聞かれるかと思ったのに。
案外あっさり受け入れられちゃった。
「うん。だから、舞花は頑張ってね!」
ホッとしている舞花の肩をポンと触れて私は自分の席へ向かった。
私はこれでいいんだよね。
ギュッと手に力を入れる。
私のしている事は2人のためになるはずなの。2人はお似合いなんだから、私がこうしなきゃでしょ。
自分に言い聞かせて気持ちが揺れないようにする。こうしていないと…私は…。
席について教科書をしまっていると、横に人の気配を感じて顔を上げた。
「なな、ちょっといい?」
「せい…」
真剣…というよりはちょっと気弱な感情がするせいが私を見ていた。
目に力がない。
私はパッと下を向いてせいから目をそらした。
ど、どうしようっ!!
チラリと舞花の方を盗み見ると、舞花は桃と話していてこっちの事には気づいてない。
よし、今なら…!
「いいよ。外いこっか」
私は小さい声でせいを見ないでそう言って立った。
「ああ、悪いな」

